「フィリピンでのんびり暮らしたい」
「子供の英語教育移住を考えている」
「ノマド生活に良い外国の街はどこ」
そう考えたとき、**ドゥマゲテ(Dumaguete)**という街の名前を耳にしたことがある人は多いでしょう。
ドゥマゲテは、フィリピンのネグロス島南部にある静かな港町で、
海と山に囲まれたコンパクトな街ながら、治安の良さ・物価の安さ・人の温かさで多くの外国人が移住しています。
実際、世界のリタイア雑誌「Forbes」や「Retirement Living」でも
「世界で最も住みやすい都市のひとつ」として何度も紹介されており、
セブやマニラのような喧騒とは無縁の“スローライフ天国”です。
本記事では、ドゥマゲテ移住を検討している方のために、
治安から生活費、賃貸、ビザ、病院、人気アプリまで徹底的にまとめました。
「本当に住めるの?」「危なくないの?」「費用は?」といった疑問に、
現地在住者の目線で、リアルな情報をお届けします。
目次
1. ドゥマゲテとは?人気の理由
基本概要と立地
ドゥマゲテはネグロス島東海岸の港町で、人口は約13〜15万人。空港・大学・病院・モールなどの生活インフラが整いながら、海と山がすぐそばにある“コンパクトな暮らしやすさ”が特徴です。
なぜ「リタイア天国」と呼ばれるのか
物価の安さ、治安の良さ、医療と英語教育のバランスが整っているため、年金受給者や長期滞在者から支持されます。英語が使える点も移住のハードルを下げています。
セブ・マニラとの違い
マニラはビジネス都市、セブは観光と経済が融合する大都市。対してドゥマゲテは「落ち着いた学園都市」で、利便性とローカル感のバランスが好まれます。
2. 治安:本当に安全?
犯罪発生状況と体感安全度
ドゥマゲテはフィリピン国内でも治安の良い地域に分類されます。暴力事件は少なく、夜間でも中心部は比較的安心。ただし、スリ・置き引きなど軽犯罪には注意が必要です。
夜間の外出と交通トラブル
夜は人通りの多い道を選び、暗い路地は避けること。トライシクル乗車やGrab利用で移動するのが無難です。バイク運転時の事故にも注意しましょう。
災害対策と医療体制
台風の直撃は比較的少ないものの、雨季の豪雨や断水・停電への備えは必要です。主要病院(Silliman Medical Center等)で一次医療は受けられますが、重症はセブへ搬送される場合があります。
3. 賃貸・住まい探し
家賃相場(エリア別)
家具付きワンルーム:8,000〜20,000PHP/月。中級コンド:15,000〜40,000PHP。家族向け一軒家:30,000〜80,000PHPが目安。市内ではシティモール周辺もしくはロビンソンモール周辺が人気、郊外ではValencia(高地)・Dauin(海側)・Bacong(少し安い)が人気エリアです。
契約方法・保証金・トラブル回避
契約は6ヵ月〜1年が一般的。保証金(デポジット)は1〜2ヶ月分。口頭で済むケースもありますが、外国人は必ず書面(Lease Agreement)を取り交わすことを推奨します。
探し方の実務(内見の重要性)
Facebookグループ、ローカル不動産業者、が主な情報源。写真判断だけで決めず、必ず現地内見して水回り・電気・ネット回線を確認しましょう。特に新築物件は水圧やネットが要注意です。
4. 生活費の目安
単身・家族のモデルケース
単身者:月7〜12万円、夫婦・小家族:12〜18万円が目安。家賃・食費・光熱費・通信費を含めた実例で計算しています。
概ねの物価(2025年時点)
- 鶏肉 1キロ・500円
- 豚肉 1キロ・750円
- 牛肉(輸入) 1キロ・2500円
- アジ 1キロ・400円
- マグロ 1キロ・1300円
- エビ 1キロ・800円
- キャベツ 1キロ・300円
- 玉ねぎ 1キロ・300円
- マンゴー 1キロ・400円
- お米 1キロ・100円〜250円
- ビール小瓶 1本・100円
- ガソリン 1L・150円
光熱費・通信・食費の内訳
電気代(冷房使用で高くなる):2,000〜5,000PHP/月、通信(固定回線+モバイル):1,000〜3,000PHP、食費はライフスタイル次第で5,000〜25,000PHP程度。
現地人と日本人の暮らし方の違い
現地スタイルは外食中心の省力型。日本人は自炊や食材に投資する傾向があり、ライフスタイルによって費用は大きく変動します。
おすすめのスーパー
- ベルクリス
- シティモール
- ロビンソンモール
- リープラザ
- ハイパーマーケット
- パブリックマーケット
- ダロ市場
5. 交通・アクセス
首都圏からのアクセス
マニラ・セブから飛行機で約1時間。空港は市街地から車で15分程度と近く、週末移動がしやすいのも魅力です。
市内移動:トライシクル・バイク・バス
短距離はトライシクル、長距離はジープニー/バス、個人移動はバイクが便利。中古バイクは比較的安価で、長期滞在者に人気です。
免許とバイク購入の注意点
国際運転免許があれば短期は可。長期運転は現地免許取得を推奨。購入時は整備状態と書類確認を必ず行ってください。
6. 買い物と外食
スーパーマーケットと市場
Robinsons、Lee Plazaなどのモールで日用品が揃う。地元市場は生鮮品が安く、新鮮な魚や野菜を手に入れられます。
ローカル食堂 vs 日本食・欧米系
ローカル食堂は安くボリューム満点。日本食店やカフェも増え、移住者は両方を使い分けています。
外食費の目安とおすすめ店
ローカル食堂:50〜150PHP/食、カフェランチ:150〜400PHP、日本食:300〜700PHP。地元で評判のレストランは事前にSNSでチェックを。
7. 医療・病院事情
主要病院と医療レベル
Silliman Medical Centerが代表的な総合病院。一般診療・入院はカバーしますが、複雑な専門治療はセブやマニラへ搬送されることがあります。
保険と費用の目安
外来は数百〜数千PHP。入院や手術は高額になる可能性があるため、民間海外医療保険への加入を強く推奨します。
歯科・眼科
歯科・眼科は市内に複数あり、日常診療は問題ありません。
しかし、歯科は日本のクリニックのレベルが圧倒的に高くて安いので、症状によっては一時帰国してでも日本の歯科に行くことをお勧めします。
8. 教育・学校
インターナショナルスクールと現地校
小〜高校までの国際私立校が限られるため、インターナショナルスクールは予約待ちになることも。現地の私立校や英語補習校と組み合わせるケースが多いです。
比較的、入学手続きが楽で校風も緩いため人気の学校はこちら>
ドゥマゲテ現地校「サイモン」モンテッソーリ・インターナショナルスクール
語学学校(英語留学)
短期〜長期のESLプログラムが多数。費用は学校とコースによりますが、セブ留学より安価なケースが多いです。
教育移住の実務ポイント
学年・評価制度が日本と異なる点、入学時期のタイミング、必要書類(成績証明等)について事前に確認を。学校によっても必要書類が異なります。
9. 気候・台風
年間の気温とシーズン
平均26〜32℃。乾季(11–5月)と雨季(6–10月)に分かれ、乾季は快適、雨季は短いスコールが中心です。
台風リスクと備え
ドゥマゲテは台風の直撃が比較的少ない地域ですが、念のため備蓄と避難ルートを確認しておきましょう。数年に一度くらい、停電レベルの台風が来ます。
生活上の工夫(湿気・エアコン)
防カビ対策や除湿器、定期的な換気が有効。冷房利用は光熱費に影響するため、使用計画を立てると良いです。
10. インターネット・通信環境
プロバイダー比較(Globe / PLDT / Starlink)
ドゥマゲテ市内中心部では、光回線(Fiber Internet) が比較的安定しており、主要プロバイダーは PLDT Home Fiber と Globe Fiber の2強です。
平均速度は場所にもよりますが、下り30〜100Mbpsほど。オンライン会議や動画視聴、リモートワークには十分な水準です。
郊外やバレンシア・ダウィン方面などの山間部では、光回線のエリア外も多く、その場合は GlobeやSmartのモバイル回線(4G/5G)、もしくは Starlink(衛星インターネット) が現実的な選択肢になります。Starlinkは初期費用がかかるものの、安定性と速度(100Mbps前後)は郊外では圧倒的です。
👉 リモートワークやオンライン授業も、ドゥマゲテでは問題なくこなせる環境が整いつつあります。
SIMカード・プリペイドプラン
SIMカードは、空港・ショッピングモール・セブンイレブンなどで簡単に購入できます。
代表的な通信会社は Globe と Smart。どちらもプリペイドプランが主流で、スマホからアプリを通してデータプランを購入できます。
たとえばGlobeの「Go+99」プランは、7日間で8GB+SNSフリーなど、短期滞在にも最適。
トップアップ(残高追加)は GCash や Maya(旧PayMaya) などの電子マネーアプリ、またはコンビニ・モールのカウンターで簡単に行えます。
在宅ワークの実用性
ドゥマゲテは「地方都市ながらネット環境が整っている」ことで、デジタルノマドやフリーランサーに人気の街です。
停電対策として UPS(無停電電源装置) や ポータブルバッテリー を備えておくと安心。
また、近年はカフェやコワーキングスペースも増加しており、ネットカフェよりも落ち着いた作業環境を選ぶことができます。
ノイズ対策や電源確保を意識すれば、日本と遜色ないレベルで在宅ワークが可能です。
オンライン英会話講師や動画編集、ライター、IT系フリーランスなど、移住者にも人気の職種が広がっています。
11. 銀行・お金・送金
口座開設と必要書類
ドゥマゲテ市内では、BDO・BPI・Security Bank などの大手銀行に支店があります。
口座開設には基本的に以下の書類が必要です。
有効なパスポート
住所証明(電気代などの公共料金請求書、または賃貸契約書)
一部銀行ではACR I-Card(外国人登録証)
SRRVビザ(リタイアメントビザ) 保有者は身分証明が明確なため、口座開設がスムーズです。
銀行によっては外国人の新規口座開設に厳しい場合もあるため、事前に支店に確認を取るのがおすすめです。
ATM・国際送金の注意点
ATMは主要モールやセブンイレブンに多数設置されていますが、引き出し手数料(1回200〜250ペソ前後) がかかります。
また、1回あたりの最大引き出し額(10,000ペソ程度) にも注意が必要です。
海外からの送金は、Wise(旧TransferWise) や Revolut、GCash Remit などのオンライン送金サービスが便利で、為替レートや手数料が明確です。
定期的に仕送りや生活費を送る場合は、複数サービスを比較して最適化すると良いでしょう。
電子マネー(Gcash等)の活用
フィリピンでは電子決済が一気に普及しており、Gcash は生活必需アプリのひとつです。
携帯番号がそのままアカウントになり、送金・QR決済・光熱費の支払い・ロード(通信残高追加)などをアプリひとつで完結できます。
Gcashをフル活用するには、本人確認(KYC) を済ませておくのがポイント。
KYC済みアカウントは送金上限が上がり、外国人でも問題なく利用できます。
12. 人気アプリ&便利サービス
ドゥマゲテ生活で欠かせない定番アプリを紹介します。
Grab:配車・フードデリバリー・宅配などを一括で扱うスーパーアプリ。
Gcash:送金・支払い・公共料金決済・ロード購入など日常のほぼ全てをカバー。
Viber / WhatsApp:現地の友人・オーナー・ドライバーとのやり取りに必須。SMSよりも信頼されます。
Foodpanda / GrabFood:レストランの宅配サービス。夜でも便利です。
Shopee / Lazada:オンライン通販。家電から生活用品まで何でも揃います。
これらを使いこなせば、現地生活のストレスが大幅に軽減されます。
現金中心だったフィリピンの生活も、スマホひとつで完結するキャッシュレス社会へと確実に進化しています。
13. 光熱費とライフライン
電気・水道・ガス・ネットの料金は日本より安め。ただし停電や断水が発生することもあるため、対策(発電機・タンク)を検討してください。
14. お祭り・イベント・文化
Sandurot FestivalやBuglasan Festivalなどの地域イベントは、地元文化に触れる絶好の機会。外国人参加も歓迎され、コミュニティ形成に役立ちます。
15. 人口・街の規模
人口約13〜15万人。都市化の進行は緩やかで、混雑が少ない“ちょうど良い規模”が移住者に好評です。
16. ビザ・SRRV(長期滞在)
観光ビザ延長
観光ビザ延長で長期滞在するケースが一般的ですが、更新手続きは早めに行うこと。違法滞在は罰金や強制送還のリスクがあります。
SRRV(リタイアメントビザ)の概要
SRRVはリタイア層に人気の永住に近いビザ。年齢や預託金の条件により種類が分かれるため、公式窓口や専門エージェントで確認してください。
学生・就労ビザの現実
学生ビザは語学学校や大学での正規手続きが必要。就労ビザは雇用主の支援が不可欠で、現地ルールに則った手続きを。
17. ドゥマゲテ移住のメリット・デメリットまとめ
主なメリット
- 物価が安く、生活コストを抑えられる
- 治安が良く、英語で日常が回る
- 海・山の自然が近く暮らしの質が高い
主なデメリット
- 医療の高度化では都市部に劣る場合がある
- 停電・ネット不安定のリスク
- 一部の生活インフラは日本と比べ簡素
移住前の3つのチェックポイント
- まずは1〜3ヶ月の下見滞在で現地感を掴む
- 主要手続き(銀行・SIM・医療保険)を事前に整理する
- 居住エリアは必ず現地内見して決める
— ドゥマゲテは「便利さ」と「ゆったり感」を同時に求める人に最適な移住先です。興味があれば、下見プランなどもアドバイスしますのでお気軽にご依頼ください。
















